アーキプラス

91.天気予報

雨雲レーダー
 天気予報をいつも気にしている。毎朝ネットで見てから2,3時間おきに見ることもある。アンケートの趣味の欄には、音楽、スポーツ、旅行という一般的なものに加え、「時刻表」と「天気予報」と書いているぐらいだ。しかし、子供のころは、運動会、遠足などのイベントの時は気になったが、さほどではなかった。しかし、台風の時は別だった。小学生当時、伊勢湾台風、第二室戸台風などの大型台風が本州に上陸し、大変怖い思いをしたからである。刻々と伝わるテレビの天気予報が気になった。特に中心気圧と最大風速については気になった。それは今も変わらない。その後、高校に入ってサッカー部の練習では雨にかかわらず、練習は行っていたし、試合も行われたが、ぬかるみのグラウンドは最悪であった。しかし、あまり、天気予報を気にしなかった。与えられた運命は仕方がないと思ったからだ。雨が降るか降らないかは雨具を用意するかどうか程度であった。
 気になり始めたのは、仕事を始めてからである。コンクリート打設の日、強雨は厳禁である。また積雪や氷結はさらにまずい。これだけは避けなければならない。また、慣れない正装(最近はあまりしない)する地鎮祭、木造の上棟などいろいろあった。が、一番のきっかけは、竣工写真を撮るようになってからだ。設計した建物の写真を撮るわけだが、できれば快晴の日光の下で撮り、写りを明るいイメージのものにしたい。写真家と撮影日の数日前から、また前日、当日と連絡を取り合い、その日の予定を確かめ合うことになる。彼らの仕事は天候に左右されるので天気予報には相当敏感である。撮影日を次の日にずらすことができればよいが、撮影不可能な日や写真家のスケジュールもあり、そう簡単ではない。余裕があればいいのだが、締め切りや引き渡し後は、建築主側の都合もあり、日程は選べない。あらかじめ撮影の予備日を決めるが、思う通りの天気になるわけではない。雨天が重なり延期が1か月以上続いたこともあった。しかし、大方は、それなりに撮影を進めることが多い。インターネットで雨雲レーダーを見つつ、撮影を続ける。食事・休憩・有形の準備など先の時間のスケールに合わせて、スケジューリングする。以来、旅行に行くときの服装や窓からの景色なども予報を見て、あらかじめ予想しながら出かける。そして当たり具合外れ具合を楽しむことにしている。ゴルフ、テニス、フットサルをするときなどなおさらでそのチェックは怠らない。最近の例をあげると。コロナ禍の中で私は太陽光発電によるEVでの通勤している。運動不足解消のため根拠はないが、毎日10kmのウォーキングを課している。毎日それをこなすは結構大変だ。毎朝夕、天候の良い時を見計らって散歩に出かける。その際、出かけるタイミングを見るのが、iphoneの天気予報サイトである。これによって前日のウォーキングの時間帯を考え予定をたてる。そしてそれから頼りになるのは雨雲レーダーである。1時間程度までの雨具合は非常の正確である。これにいつも頼っている。
 気候の安泰が望まれるのは大昔から人々の願いだ。それを予測するため、大気に関するデータを多く集め、気象学の理論により予報をするわけだが、自然の大気の変化は複雑であり、気象変化を完全に理解・表現することは非常に困難である。スーパーコンピュータを使っても予想量が増加するのに応じて、予測が不正確になってしまう。そもそも流体運動の予測は厄介であり、カオスの世界である。
 以前大学の同級生であった3名で運営していた設計事務所「ワークショップ」では、経営の状況を月1回検討しようということで「ウエザーリーポート」と称した会議を3人で月1回行っていた。人気ジャズグループ「ウエザーリーポート」と重なったためお気に入りのネーミングであった。そこでは、今後の経営状況の予測がメインだが、立てるとともに今後の活動方針について話し合った。いつでも不測の事態は起こるかもしれないが、半年先、1年先ぐらいは大方見当がつく。もっと先が読めればいいが、そうはいかない。
 個人の行動についても、時間のスケールに対応した「天気予報」を行いながら、臨機応変に対応できるようにして行き、「天気予報」を楽しみながら暮らしたい。
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