プランニングplanning

Hisamatsu Project

都市型集合住宅のかたち

「ロフト」や「スキップフロア」という言葉からどのような空間を想像されるでしょうか?
「ロフト」の天井高は最大140cm。立つことは出来ませんが、大人が座って本を読む、くつろいで横になるのにちょうどよい高さです。「スキップフロア」では、天井高210cm以上と通常立って生活できる天井高になるため、様々な用途に利用することができます。
 日本橋久松町プロジェクトでは、2Fから7Fにかけて、1.5層を2つ縦に組み合わせた部屋が展開します。1.5層分の天井高を2つ縦に組み合わせることで出来る床の段差を活用して空間を立体的に扱うことで、視界を遠くに広げ、あるいは逆に遮ることで、各フロアを一つにつなげながら適度に住み分けのできる居心地の良い空間を作り出します。
 ユニットの下層にあたる2,4,6Fではリビングの開かれた空間にロフトを設け、より高い視界から空間を楽しむことができます。キッチンからリビングにつながるフラットな日常生活のエリア。230cmの高さにはプライベートを気ままに楽しむ上層のロフト空間。ガラスのカーテンウォールに覆われたリビングの南側に向かう屋外の視界に変化を付けるだけでなく、室内での生活スタイルにリズムを作ります。
 ユニットの上層にあたる3,5,7Fは、スキップフロアとロフトの組み合わせになります。
玄関を入ってすぐのキッチンスペース。奥に進み階段を115cm程上がったところのリビングが、キッチンとつながりつつも視界を適度に遮って居心地の良さを作り出します。更にキッチンの上にロフトを設け、リビングから戻る動線を描きながら115cm程上がったところにもう一つの奥まったプライベート空間を作ります。
 構造が多少複雑になり、バリアフリーとは正反対のつくりになりますが、様々な制約のなか、少人数で都市に暮らすひとつの提案として、空間の豊かさを楽しむことができるのではないでしょうか。
次回はさらに上の階についてご紹介します。
2,3F断面図
Aタイプ(2,4,6F) Bタイプ(3,5,7F)
異なる複層フロアにより変化のある住空間が楽しめる
2F Aタイプ 配筋工事途中経過
2F型枠建込み 段差の所が3Fのスキップフロアになります。
コンクリート打設後の2F 室内から見た開口部
3F リビングから見た開口部