アーキプラス

2016.03.31

51.横浜マラソン2016

コラムcolumn
写真:横浜マラソン2016スタート前
 3月13日横浜マラソン2016に参加した。大阪マラソン2013以来でフルマラソンは2年半ぶりの出場であった。5年前にフルマラソン初チャレンジ以来6回目となる。自己ベスト更新と行きたいところだが、年末年始の様々なイベントのおかげで減量の予定が上手くはかどらず、今回は、5時間以内完走を目標とした。今まではこれをなんとか満たしている。
 ゴール地点のパシフィコ横浜に荷物(着たものなど)を置く。そこからスタート地点まで1km近く歩いてゆく。みなとみらいの広大な空地に仮設トイレが建ち並ぶ。他の大会から比べて、充分な規模であったように思う。1時間前の集合時間に遅れるとスタートは最後尾にまわされる。トイレの混雑は、パニックになりかねない。
 スタート時の気温は9℃であった。長時間走るランナーとしては15度ぐらいがよく、その後の温度上昇を考えるとちょうどいい温度かもしれない。私は、マラソンの時だけであるが、指先などの体の端部が冷えやすいので15度~20度ぐらいがよいと感じている。スタートまで1時間以上待たされる。かけるためのウエアだから、止まっていると当然寒い。今までの経験で透明ビニール製の使い捨てのコートを身に付けざるを得ない。スタート後、しばらくして、係りの人に捨ててもらう。ただ、相当に密集しているので、猿団子ではないけれど、人が寄り集まり、体温を放出するので意外と温かい。人は炭団(タドン)1つ分のエネルギーといわれ、そう思っていた。調べてみると6000キロカロリーを5時間で放出するらしい。24時間換算で言えば30000キロカロリーなので人の十倍にはなる計算である。それでも25000人ということは、炭団(タドン)2500個分ということにもなる。というわけで、意外と人の代謝エネルギーや幅射熱の影響もあって、それほど寒くはないというのが、実際の感覚である。
 スタートの号砲から我々がスタート地点まで行くのに18分を要した。進行役の人がゲストの「ゴウリキアヤメ」さんがいるところがスタートの場所だとしつこくがなりたてる。しかし、一番目立つ所に、目立つピンク色のスーツを着たおばさんが立っていた。残念ながら、横浜市長であった。タレントは「おとり」のようなもので、グレーの服装で目立たなかった。市長だけが何故か目立とうとしていたような気がした。
 赤レンガ倉庫、県庁、横浜スタジアム、山下公園と横浜らしい景色が続く。42.195kmの旅は、長丁場で飽きが来る。i phoneのナイキのランニングのアプリを使って、ラップ時間を確かめる。同時に音楽も聞くのだが、前日、景気のいい音楽を入れようとビートルズの初期のロックンロールナンバーを用意する。結構乗れた。比較的最近の曲では、ミヒマルGTあたりも入れておいた。これもよかった。
 が、体は重い。前半戦は後ろから結構抜かれた。気にせず、マイペースを保つ。新杉田を過ぎた南部市場で折り返し、後半戦は高速道路を登る。500mぐらいのきつい斜路が続く、防音壁があるから、景色はあまり見えない。曇り空の下応援の人も途絶える。代わりにサンバダンサーやフラダンサーが登場する。妙齢(失礼!)のオバサン達とハイタッチを交わす。さらに進むと本牧埠頭では距離稼ぎのような単調なコースとなり疲れがたまってきた。そこで以前、数回ほど指導してもらった宇佐美彰朗さんの教え「一直線上を進み、腕をしっかり振り、前傾して、足全面でつかむように着地する」を思い返す。基本に忠実にマイペースを続ける。すると今度はまわりに足を痛めたり、へばって、歩いたり、ストレッチなどする人が出てきた。20、30、40歳以上も若い人たちを追い越し始めた。最後はごぼう抜きでのゴールは快感であった。ウサギとカメのイソップ寓話のようだが、何事もこれでいいのだと改めて思った。
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