アーキプラス

2018.05.31

76.節酒を楽しむ?

コラムcolumn
写真:最近集めたお酒、醸造酒は少しづつ飲み、蒸留酒はしばらく封印。
 先週末、体調がすぐれなかった。しばらく気にしていなかった血圧を測ると意外と低く、少し脈が乱れている。翌日月曜日、出社したが、体調は相変わらずすぐれないので、珍しく早退し、家で休んでいたところ、何やら不整脈が起こっているようだ。診療を終えた妻に診てもらう。心電図を計測する。何やら心房細動の恐れありということであった。大事をとって、近くの大病院の緊急外来に行く。不整脈の症状はなくなったが、翌日、不整脈専門の医師に急遽診てもらうことになった。検査後診察を受ける。前日の妻がとったデータによると確かに心房細動の恐れはあるようだ。心房細動とは、脈が乱れる不整脈の一つだが、放置すると脳梗塞などを起こすといわれる。生活習慣を聞かれる。飲酒の状況を正確に伝える。「かなりいける口ですね。」といわれる。「心房細動であるかどうかは詳しい検査をしてみないとわからないけれど、もしそうだとすると原因は過度の飲酒に起因することが多い。」といわれる。この際、飲酒制限をして、様子を見てはどうかといわれる。ちなみに許される量は1週間にビール350cc缶2本までということである。これは飲まないということに等しいことである。必要な検査をした上で、取り敢えず1ヶ月後までは、(脳梗塞にはなりにくい)薬を投与して、様子を見て、その具合で治療の方針を決めるということになった。病気は特定されたわけではないが、飲酒が原因で体調不良になったのか。それはなんとなくわかる。そういえばこのところ連日連夜、多量のお酒を摂取していた。意外と翌日残らないものだから、平気で毎日たくさん飲んでいたような気がする。深酒した翌日に不整脈を起こしたこともあった。また、血圧、体重、中性脂肪、肝機能、尿酸値も、レッドではなかったがイエローゾーンに近づいていた。日常的な飲酒習慣を止めれば、これらが向上するのは間違いない。取り敢えず半年は差し控えて様子を見ようということになった。もともと酒好きだが、多少依存しているところはある。しかし、いわゆるアル中ではない。お酒を飲んでリラックスしてお話をし、時を過ごすのが好きなのではないか?そう思うことにした。
 すると1日後に鳥料理の会食が予定されていた。前から予定していた招待だから、断るわけにはいかない。小さなグラスに半分だけビールを入れてもらって乾杯!事情を皆に説明する。次からはノンアルコールビールを飲む。ビールとは似て非なるものである。食事はどんどんすすみ、皆はそれぞれ好みのお酒をお代りし、話も盛り上がって行く、酔いもまわってくる。こちらは、ノンアルコールビールはお代りというほどうまいものではなく、飽きてくる。次は黒ウーロン茶のロックを静かに飲む。あまり飲料が進まないので、箸の方が進み、食べるスピードが皆より少し早くなる。アルコールも回り、まわりも出来上がってくる。しかし、飲んでいる時の感覚そのままで、会話を楽しむことができた。逆にしらふであることによって、ある種の客観性を保ちながら会話できる楽しさを覚えた。これでいいのだと思った。
 年末年始は別として、週に1,2回は会食することがある。その時は許容量の範囲でお酒をたしなむことにしようと思う。1回分はビール350cc1缶である。そこで生ビール中ジョッキはどのくらいあるかを調べたところ、ジョッキの容量は店によって異なるが、400ccから500ccで、泡分を差し引くと330ccから400ccとなり、一般の350ml缶ビールほどの量だそうだ。生ビール中ジョッキを1杯だけ飲めばいいということだ。ぐっと飲めば、多少飲んだ気がするかもしれない。これで行こう。ではワインではどうか。ビールのアルコール濃度はワインの半分ぐらいだから、350ccのビールの約半分180cc位は許容量となる。ということはグラス2杯分ということか?これなら、ワインを嗜みながら、食事もできそうだ。11月に行われる恒例の新酒の会(ヤチダヨリ#47仏蘭西的飲酒参照)も今年は1週間飲酒を断ち、許容量以内、360cc程度をたしなむことにしようと思う。
 32年前禁煙を開始したときは、吸ってしまった夢を毎日見ていた。3年ぐらい経つとそれは全くなくなった。今回も飲んでしまい酔っぱらった夢を見ることになるのだろうか?それはそれで楽しそうだが、未だその夢は見てはいない。
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